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金融イノベーションの「ど真ん中」にいたい。

iBankマーケティング株式会社
代表取締役 永吉 健一

更新日:2018年2月21日

1972年生まれ。九州大学 法学部卒業後、福岡銀行に入行。 経営企画部門に在籍し、地域金融機関の経営統合に向けた検討初期段階から、2007年のふくおかフィナンシャルグループ、その後のPMI(経営統合)業務に注力。その後10年間、企業ブランド戦略立案や地方創生プロジェクトに関わり、2016年4月には自らが企画し、iBankマーケティングを設立。代表取締役に就任。“自分ではできない”が、サッカーをこよなく愛する。
所属・役職等は取材時点のものです。

地方銀行が起こす、金融イノベーション。

ブロックチェーンをはじめとするフィンテックの台頭により、大きく形を変えようとしている金融業界。その中で、ふくおかフィナンシャルグループが推進する『iBank』事業は、既存の銀行サービスにとらわれない金融プラットフォームとして、いま、注目を集めている。事業を主導するのはiBankマーケティング株式会社。同社が中核プロダクトとして2016年7月にリリースしたアプリ「Wallet+(ウォレットプラス)」はリリースから1年半で32万ダウンロードを突破(※1)。世界最大のフィンテック系イベント「FINOVATE FALL 2016(※2)」では日本企業として初めてプレゼンテーションに登壇するなど、飛躍的な成長を続けている。今回は、その“仕掛け人”である永吉社長にiBankマーケティング設立の経緯や今後の展望などを伺った。

(※1)32万ダウンロード突破/2018年1月現在
(※2)FINOVATE FALL/2007年にNYでスタートした、金融分野のイノベーションに特化した世界最大規模のカンファレンス。年3~4回、世界各地で開催されている。

- まず、永吉社長のご経歴を教えてください。

生まれは名古屋ですが、親が転勤族だったので大阪に移り住み、中学2年生から福岡にいます。僕が大学に入る頃には、親はまた転勤していましたね。出身地を聞かれると、説明するのが長くなるのでいつも「福岡」と答えるようにしています(笑)。

大学時代は、すっかり遊びほうけていて、就職活動には完全に乗り遅れましたね。銀行は『絶対に入りたくない』ぐらいに思っていましたが、気が付いたら銀行からしか内定がもらえず(笑)、入行することになりました。それから20年以上、銀行一筋でいろんな仕事をさせてもらってきました。

- iBankマーケティングの設立について聞かせてください。

自分で企画書を作って経営陣にプレゼンしました。企画を考える段階から既に『これは銀行だけでできるプロジェクトではない』と思っていて、最初から銀行の外に事業会社を作り、銀行以外と協力してサービスを磨いていくことを構想していました。

一方で「外に会社を作ると人事や総務も別で抱えなくてはいけないし、コストが余計にかかってしまうから、銀行の中で出来ないのか」、という意見もありました。結局その議論は会社を作る直前まで続きましたね。

事業計画としては、銀行以外の業態の企業とも、別の金融機関とも組んでサービスを大きくしていくことをイメージしていました。そうする上で「福岡銀行が作ったサービス」となると、非常に手を組みにくい。ですから、外に切り出して“アイバンク”としました。周囲からは冗談交じりに、なんで“Fバンク”じゃないんだと言われましたけどね(笑)。

思えば、銀行にいるときにも、“部下がいない企画部”にいるような環境でした。企画を考えて、実行する段階になると、周囲に「じゃあ、お任せします」という感じ。正直、初めはアイバンクもそのひとつという感覚がありましたが、今回の企画はあまりに“銀行業務の延長線”ではなかったので、「誰がやるんだ」という話になり…であれば自分だな、と(笑)。『銀行に入った自分がこんな仕事をしているなんて』という不思議な思いもゼロではありませんが、それよりは『やっと自分がイメージした仕事になってきた』という感覚が強いかもしれないですね。

- これからのiBank、どんな未来を見ていますか?

ずばり「マルチバンク化」の強化ですね。iBankでは福岡銀行を始め、熊本銀行、親和銀行と連携して、地銀が共同で事業参画できるプラットフォームを構築してきました。そして今回、沖縄銀行も参画していただくことになっています。

この連携には大きなポイントがあって、それが「オープンAPI」の活用です。これまでは銀行の基幹系のシステムと接続しないとサービスが実現できなかったんですが、沖縄銀行が構築しているオープンAPIを活用することで、スピーディーに、かつ低コストでサービス実装が可能になったんです。 最近のニュースでご存知の方も多いかもしれませんが、改正銀行法によって、地方銀行は2018年の3月までにAPIの方針を発表しないといけなくなりました。これは私たちにとっては追い風と言えるでしょうね。

iBank事業は2年ぐらい前からいろんな地方銀行さんに案内してきたんですが、みなさんの反応としては、「やりたいことは全てここに詰まっている」と言っていただけるものの、完全に理解してもらえていない感じもあったんです。いまはあれから2年経って、世の中のとらえ方も変わってきた。一気に風向きが変わりそうな感じがしています。

フィンテックのベンチャーとして銀行の外に事業ドメインを置いていますが、もともとの思想は、どうやったらもっと既存の金融サービスが便利になるか、既存の銀行サービスが使ってもらえるようになるか、というところです。

エンドユーザーの方に向けたセミナーで「フィンテックをご存知か」と聞くと、ほとんどの方は「知らない」と言います。でも、フィンテックは知らないうちに身近なものになっている。ある日突然、ガラッと常識が変わるんだと思います。iBankマーケティングは、その新しい常識の“ど真ん中”にいたいと思っています。

編集後記

コンサルタント
植田 将嗣

テクノロジーの進化によって新しい価値がうまれる一方で、「人の仕事がなくなる」といったネガティブな記事などを目にすることも増えてきました。それはテクノロジーの進化によって出てくる可能性がよくイメージできないからなのだと思います。

フィンテックについてもまだ多くの人が「知らない」「よく分からない」と答えるのが実情です。ただ、そう遠くない将来には、もっと私たちの生活に浸透していくことと思います。そうしたときに、フィンテックによって何ができるようになるのか、普段の生活がどう変化していくのかが具体的にイメージできるようになると、爆発的に広がっていくのだろうと感じました。

iBankマーケティングが仕掛ける新たな金融サービスが“当たり前”になる時代が垣間見え、ワクワクするような取材となりました。

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