正興ITソリューション株式会社
村岡幸博さん(仮名・システムエンジニア) 37歳
「相談会」の参加から4年の時を経て、地元福岡へのUターン転職を実現。
エンジニアリング企業のシステムエンジニアとして全国を飛び回り、多忙な日々を過ごしていた村岡さん。やりがいは十分に感じられていたが、いつも気になっていたのは「家族との時間」だった。
自身と同じく福岡出身の奥様と「いずれは福岡で暮らしたいね」と将来像を描くなかで、子どもの誕生を機にUターンを本格的に検討。リージョナルキャリア福岡の相談会で情報収集をスタートし、その後約4年の時を経てUターンを実現させた。
現在は地場大手・正興グループのITサービス企業で新たなスタートを切っている村岡さん。「家族との時間がしっかり取れるようになったことはもちろん、将来設計がしやすくなったのが嬉しい」と喜ぶ村岡さんに、Uターン転職活動を振り返ってもらった。
※本記事の内容は、2023年7月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 0回
- 活動期間
- エントリーから内定まで96日間
転職前
- 業種
- エンジニアリング
- 職種
- システムエンジニア
- 業務内容
- システムの新規導入からメンテナンスに至るまでの一連のエンジニアリング
転職後
- 業種
- ITサービス
- 職種
- システムエンジニア
- 業務内容
- システムの開発、運用
一年の半分は出張で家を空ける生活。やりがいと引き換えに、家族との時間が犠牲になっていた。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
正興ITソリューション株式会社は、正興電機製作所(東証プライム市場上場)の情報システム事業部が分社化する形で2005年に設立されたITサービス会社です。港湾や教育、金融、電力など、様々な分野のシステム・ソフトウェア開発を通してソリューションを提供しています。
私は、社内の勤怠管理システムの開発や運用を担当しています。現在アサインされているのはこの業務ですが、今後は顧客に対する業務も含めて様々な案件を手掛ける可能性を見据えて、少しずつ会社にアジャストしている段階です。
入社前のご経歴を教えてください。
福岡県北九州市の出身で、地元の大学を卒業後、機電系エンジニアリング企業に新卒入社しました。
以来約14年間、関東をベースにシステムエンジニアとして、中小企業から上場企業まで幅広い企業に対するシステム導入などに従事してきました。顧客折衝や見積もり、制御設計、製作、検証、現地調整に至るまで一連の業務を広く担当。直近では主任の立場で後輩の指導や協力業者の管理なども務めていました。
転職のきっかけは?
前職では顧客が全国に点在していたため、多いときには年間の3分の2は出張で対応。1回につき数週間~数ヶ月というスパンでの出張も珍しくありませんでした。
顧客の要望に対してスピーディーに対応することを自身のモットーとしており、出張は決して苦ではなく、業務や役割に対してもやりがいを持って取り組んでいましたが、子どもが生まれたことを機に、家族との時間や働き方について考えるようになりました。
妻も福岡出身で、もともと「いずれは戻りたいね」と話していたことから、良きタイミングと考え、福岡へのUターンを本格的に考えるようになりました。
転職活動はどのように進めましたか?
動き始めたのは、実際に転職活動を行う3年ほど前。入社から遡ると、約4年前になります。まずは情報収集から始めたいと考え、リージョナルキャリア福岡の「U・Iターン相談会」に夫婦で参加しました。
当時はまだ子どももいなかったのですが、家族計画や自身のキャリアについてコンサルタントに相談し、情報をもらいながら、まずはざっくりとしたスケジュール感などをイメージして面談を終えました。
その後しばらくは特に活動せず、Uターンすることを決めたタイミングであらためてコンサルタントにコンタクトを取りました。何度かの面談を通して、自身の強みや仕事をしていく上で大切にしたいこと、今後のキャリアイメージなどを具体化し、選択肢となりそうな企業をすり合わせました。その中の一社が正興電機製作所および正興ITソリューションです。
故郷で過ごす、家族との穏やかな日々。おかげで、安心して仕事にも打ち込める。
今の会社に決めたポイントは?
まず、正興電機製作所は100年を超える歴史で培った情報・制御・ものづくりの技術で九州・日本のインフラを支えており、その事業基盤の強さに惹かれました。そして、そこから独立した正興ITソリューションは、グループとしての総合力を活かしながら、新たな事業の柱をつくっていくというフェーズでした。
これまで私が培ってきたシステムエンジニアとしての経験をしっかり活かしながら、さらに新しいチャレンジができそうだと感じ、また、選考で会った部門責任者や社長から経験を高く評価してもらい、強い期待感を持ってもらえたため、入社を決めました。
転職していかがですか?
まずは何と言っても、働き方が大きく変わりました。前職のような出張がなく、残業も格段に減ったので、家族との時間をしっかり取れるようになったのが何より嬉しいです。
以前は長期の休暇を取得しても、ひっきりなしに電話がかかってきたり、気が休まりませんでしたが(苦笑)、現在はオン・オフをしっかり切り替えることができます。
また仕事の面では、これまで経験したことがないこともたくさんあるので、積極的にチャレンジしていきたいと考えています。技術的なことだけでなく、プロジェクトとして形づくるための計画を立てたり、さらに大きな事業として推進したり、そういった部分でもこれまで培ってきたものを活かしたいですね。
生活面の変化はありましたか?
出張や転勤が前提だった前職と違って、地元に腰を据えることができ、将来設計がしやすくなりました。いずれは家も持ちたいと考えていますし、最近第二子も生まれ、子どもたちの育児や教育という意味でも、しっかり将来を見据えられるようになったのは大きな変化です。
また、親と会える機会も増えました。孫の顔を見て喜んでいる親の姿を見ると、こちらも頬が緩みますね。一緒に子どもの誕生日祝いをしたり、何気ない日常を通して、ようやく家族として落ち着けたと実感しています。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
在職中に転職活動を行う場合は、いかに効率的に活動を進めるかが重要だと思います。転職活動と一口に言っても、自身のキャリアの棚卸しをしたり、企業についての情報収集をしたり、面接対策をしたりと、やるべきことがたくさんありますよね。
そういった意味では、コンサルタントの力を借りながら、「要点を押さえていく」と良いのではと思います。
私も出張など慌ただしい日々の中で、合間を縫って活動を進めましたが、「いずれ転職するなら」と前もって準備を進めたことで、「あとは頑張るだけだ!」と開き直って臨めました(笑)。
キャリアの棚卸しをして、何を具体化しないといけないのか。面接に臨む上で、どんな情報を重点的に集め、どんなアウトプットをすれば効果的なのか。そういったシミュレーションや事前準備をしっかり行うと、その後スムーズに活動を進められるのではないでしょうか。