九州電力株式会社
奥田芳孝さん(仮名・社内情報システム) 39歳
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SIerから事業会社へ。ITで社会インフラを支える、福岡で拓く新たなキャリア。
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大学卒業後は大手SIerで約15年間、インフラ基盤の構築やプロジェクトマネジメントに携わってきた奥田さん。さらなる成長を求めて東京の大手SIerへ転職したものの、家族のことや今後のキャリアを見つめ直す中で、「福岡に戻りたい」という想いが次第に強くなっていった。
転職活動では、SIerで培った経験を生かしながら、事業会社という新たなフィールドに挑戦。現在は九州電力の情報通信本部で、全社のITインフラやサイバーセキュリティを支える業務に携わる。
社会インフラを支える責任ある仕事のやりがい、事業会社ならではの働き方、そして福岡で実現した家族との暮らしについて伺った。
※本記事の内容は、2026年8月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 1回
- 活動期間
- エントリーから内定まで85日間
転職前
- 業種
- SIer
- 職種
- インフラエンジニア
- 業務内容
- 自社DaaSサービスの提案・運用・保守、社内向けFAT端末の展開設計。
転職後
- 業種
- エネルギー
- 職種
- 社内情報システム(インフラ領域)
- 業務内容
- 全社ITインフラ(パソコン・サーバー・ネットワーク)の企画・導入、バックアップ環境の強化、セキュリティ維持・向上。
家族への想いと成長へのチャレンジ。その両方をかなえる転職。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
九州電力の情報通信本部・基盤構造改革グループに所属しています。情報通信本部は大きく「通信」と「システム企画」に分かれており、私はシステム企画で、全社システムを支える基盤・インフラ領域を担当しています。
各システムが安定して稼働するための土台を整備する部署で、全社で利用するパソコンやサーバー、ネットワーク機器などの企画・導入を担当しています。また、近年増加するサイバー攻撃への対策も重要な業務の一つです。
全社的なサイバーセキュリティ統括やガバナンスを担う部署と連携しながら、基盤・インフラ面からの対策として、バックアップ環境の強化や、社員が利用するパソコン・サーバーのセキュリティ維持・向上などに取り組み、会社全体のITインフラを安全かつ安定的に運用するための環境づくりを進めています。
入社前のご経歴を教えてください。
大学卒業後は大手SIerに入社し、約15年間勤務。東京勤務を経て、入社7年目から地元・福岡の九州支店へ異動し、インフラ基盤の構築やSaaSサービスの展開に携わりました。グループ会社をはじめ、さまざまな企業の案件でプロジェクトマネージャーも担当していました。
九州支店には約8年間在籍しましたが、後半になるとインフラ案件が徐々に減少し、エンジニアが関東や関西へ異動するケースも増加。また、プロジェクト体制が整わず、トラブル対応に追われることも少なくありませんでした。
そんな状況もあり、「いずれ自分も東京へ異動するのであれば、東京で別の会社に転職することも含め、一度キャリアを見直してみよう」と考えるようになります。
ちょうどそのタイミングで、以前一緒に仕事をしたことがあり、技術力の高さに魅力を感じていた別の大手SIerから声を掛けられ、転職しました。そこでは自社サービスの提案や運用・保守を担当するプロジェクトに携わりました。
転職のきっかけは?
地元を離れてもう一度東京へ出ることは、自分にとって大きな決断でした。兄弟がいないこともあり、将来的には親の面倒を見なければならないという想いもありましたが、「もう一度東京で頑張ってみよう」と決断します。
実際に働いてみると、前々職で感じていた不満は解消されました。ただ、自社サービスが中心だったため、提案や導入の進め方がある程度決まっており、お客さまの要望に柔軟に応えたり、新しいことに挑戦したりする機会は多くありませんでした。
会社の方針として理解はしていたものの、技術力を高めながら、お客さまにもっと寄り添った提案がしたいという自分の想いとのギャップを感じるようになります。
また、久しぶりの東京生活では、通勤や生活環境の負担も想像以上に大きく感じました。さらに、実家で困りごとがあってもすぐに駆けつけられず、近くで家族を支えられないことにもどかしさを感じていました。
転職活動はどのように進めましたか?
これまでのSIerでの経験を生かしつつ、次のキャリアでは少し異なる立場・環境も見てみたいと考えていました。そのため、SIerに限らず、メーカーや事業会社なども含めて幅広く情報収集を進めました。
特に、自社の事業に近い形でITに関わり、長期的な視点で価値を提供していく働き方に関心を持ち、福岡本社の事業会社を中心に転職先を探すようになりました。そうした中で、リージョナルキャリア福岡の瀬川さんから九州電力をご紹介いただきました。
今の会社に決めたポイントは?
まず魅力に感じたのは、会社の規模です。社会への影響が大きい仕事だからこそ、使命感を持って働ける点に惹かれました。また、ITへの投資も積極的で、九州にいながら最新の技術や情報に触れられる環境があることも大きな魅力でした。
事業会社で働くのは初めてだったので、「自分に務まるだろうか」という不安もありました。SIerでは要件や仕様が決まった状態でプロジェクトを進めることが多いですが、事業会社では現場の課題を聞きながら、一緒に解決策を考えていく必要があります。
ただ、選考を通じて仕事の進め方や役割について詳しく説明してもらい、働くイメージが具体的に持てるようになりました。そのおかげで、事業会社で働くことへの不安は解消され、「ここで挑戦してみたい」という気持ちが強くなりました。
福岡で描く理想のキャリア。幅広い知識や経験が身につく刺激的な環境。
転職していかがですか?
想像以上に裁量を持って、柔軟に仕事を進められる環境でした。入社前に感じていた不安は今ではほとんどなくなりましたし、楽しく仕事ができています。
また、前職では一つの領域に限定されがちだったのですが、今所属している基盤構造改革グループは担当範囲がとても広く、パソコンもあればサーバーもありますし、セキュリティも担当しています。
その分、日々新しいことに触れながら仕事ができますし、幅広い知識や経験が身につく環境があります。そういう意味では、この幅広さが、やりがいにつながっています。
転職して良かったと思うことは?
やはり、一番の魅力は幅広い知識や経験が身につく環境ですね。新しい技術やDXにも積極的で、外から見ると堅い会社という印象があるかもしれませんが、実際は「新しいことに挑戦しよう」という意識が強く、それを実現できる環境が整っています。
また、携わる仕事の規模も非常に大きいです。約2万人が利用するシステムの導入や、大規模なITインフラの整備など、九州にいながらこれほどスケールの大きなプロジェクトに携われることは、大きなやりがいにつながっています。
SIer時代もさまざまな案件を経験しましたが、この規模の仕事に携わる機会はありませんでした。それに加えて、職場の風通しの良さも魅力です。部門にもよるとは思いますが、本部長にも直接意見を伝えられますし、しっかり耳を傾けてもらえます。会社のイメージとのギャップも良い意味であり、とても働きやすい環境だと感じています。
困っていることや課題はありますか?
もともとSIerで働いていたこともあり、入社当初は情報共有や業務の引き継ぎの進め方に違いを感じました。SIerではドキュメントやマニュアルを通じて情報を整理・共有する場面が多かった一方、現在の職場では、周囲との日常的なコミュニケーションを通じて知識や業務の背景を共有しながら進める文化が根付いています。
最初は戸惑いましたが、定期異動の多い会社だからこそ、周囲が当たり前のように手を差し伸べ、分からないことは聞きながら進める文化なのだと理解しました。
周囲が丁寧に教えてくれるので、今はあまり気負わず仕事ができています。一方で、SIerで培った「情報やナレッジは記録として残すべき」という考え方は今でも大切にしています。後から担当する人が困らないように情報を整理して残すことも、自分が貢献できることの一つだと考えています。
振り返ると、以前は「情報が整備されていないと仕事はできない」と思っていましたが、今は周囲とコミュニケーションを取りながら進めることも大切なのだと実感する日々です。
生活面の変化はありましたか?
東京から福岡へ戻ってきて、生活は本当に楽になりました。通勤時間が短くなり、電車の混雑もなくなったことで、毎日の負担は大きく減りました。また、現在は両親と同じマンションに住んでいるので、何かあればすぐにサポートできる環境があります。
少し前に父が入院した際も、休みを取って病院への付き添いや母をサポートできました。上長にも快く理解してもらえ、本当にありがたかったです。もし東京にいたら、こうしたサポートは難しかったでしょう。この出来事を通して、「福岡に戻ってきて本当によかった」と改めて実感しました。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
IT業界にいると、「やっぱり仕事をするなら東京が中心だよね」と考えている方も多いと思いますし、SIerで働いている方の中には、事業会社への転職に対して私と同じような不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
でも、実際に転職してみると、それは決して思っていたようなものではありませんでした。「福岡に帰りたい」という想いと、やりがいのある仕事の両方を実現することは十分できると思います。
もし少しでも迷っているのであれば、転職コンサルタントに話を聞いたり、自分にどんな選択肢があるのかを知るだけでも、見える景色は変わるかもしれません。