2021.03.25
異業種・異職種への転職を成功させるための年代別ポイント
仕事があるなら、絶対地方で暮らす方が良い
地方に暮らしているとごくごく当たり前の日常かもしれませんが、東京にいると全然違うそうです。先日、地方出身で東京暮らしが長い先輩と話していたときのこと、「東京は空が狭い」とおっしゃっていました。どういうことか尋ねると、「東京はどこに行っても高層建物が多く、ふと見上げても空があまり見えない。さらに目に飛び込んでくるのは"人工的"なものばかりで、それこそ「空の青」や「山の緑」といった"色"が無い。自分が地方出身だからだとは思うけど、やっぱり地方にいる方が人間らしい生活ができている」と。
私も地方出身ですし、東京に行くことや東京の企業の方々と仕事をすることが多いので、この感覚はとても共感できました。割と近くに自然があって、どこに行くにも混んでいないし、食べ物は美味しいし、人も温かい。あらためて考えると、こういったキーワードはなかなか東京では出てこないでしょうね。
さらに先輩は続けます。「仕事があるなら、絶対地方で暮らす方が良い」と。そう、仕事さえあれば--。
正直言って、大都市圏に比べれば福岡には仕事は少ないです。企業数が少ないので、当然と言えるかもしれません。業種も、職種も、大都市基準で見るとずいぶん少ないと思います。ですから、都市部から福岡にU・Iターンしようとすると、やはり仕事については慎重に考えないといけません。異業種・異職種への転職を視野に入れなければ、なかなか現実味を帯びてこないということも少なくないのです。
企業数比較 ※()内は上場企業数
【東京都】51万4313社(1977社)
【愛知県】25万2851社(223社)
【大阪府】34万2556社(432社)
【福岡県】16万5383社(84社)
(総務省統計局「経済センサス」、上場企業サーチ.com「上場企業データベース」より)
年代別に見る異業種・異職種転職の実現可能性
では異業種や異職種への転職というのは、可能なものなのでしょうか。年代別に見てみましょう。
まず20代ならば、実現できる可能性は十分にあると思います。社会に出てから現在までの経験よりも、これから経験していくことや時間の方が長いので、そのポテンシャルに期待値が担保されるからです。自分が「何をやりたいか」を中心に考えていくこともできると思います。一方で気を付けないといけないのは、企業側にとっては「新卒ではなく"20代の中途"を採用する理由」が必要になることです。ビジネスパーソンとして一定の基盤はできていて、(新卒学生に比べれば)志向も定まっている、それでいて今後の"伸びしろ"に期待できる。そう評価されて初めて、「やりたいこと」にチャレンジできる可能性が生まれてきます。
30代になると、グンとハードルが上がります。もちろん不可能ではありませんが、「異業界・未経験分野ではあっても、経験から培ってきた能力や資質がマッチしていること」が重要になります。もし経験や能力を応用できる可能性があったとしても、それは企業側にしてみれば"必要条件"であって、"十分条件"ではありません。「30代を採用するからには、異業種・異職種出身者であっても、"即戦力採用"が基本」なのです。そういう意味では、経験に近しい業種・職種でのキャリアを検討し、その周辺の仕事を客観的に見ながら検討していくのが良いと思います。
ここまでくると察しが付くかもしれませんが、40代以降は異業種・異職種での転職はかなり難しくなります。即戦力としてのパフォーマンスはもちろんですし、マネジメントやチームビルディングといった役割への期待値も強くなります。これまでの経験や能力、自分の強みをしっかりと振り返り(よく「キャリアの棚卸し」と言いますね)、「異業種・異職種であってもコミットできる」とアピールするに足る"根拠"を見出すことが重要です。
・・・あまり明るい話にならなくて申し訳ありません(汗)しかしながら、慎重な判断が必要だからこそ、実態に即してお伝えさせて頂きました。こんな環境下でも、しっかりとキャリアに向き合い、異業種・異職種転職を含めて転職に成功された方、福岡へのU・Iターンを実現した方は多くいらっしゃいます。もしお手伝いが必要でしたら、ぜひお声掛けください!