2022.06.30
3年ぶりの復活!770年以上の伝統を誇る「博多祇園山笠」基本のキ
リージョナルキャリア福岡のコンサルタント、植田です。先日、福岡からの帰り際に博多駅前で山笠を見て、「今年もそんな時期か」と思いました。
(これはきっと飾り山笠(後でご説明します)ですよね。こんなに大きいの舁ける気がしないです(笑))
ちなみに私は福岡には学生時代に住んだだけで、あまり山笠にも馴染みがなかったので、当時は"どんたく"と同じ祭りだと思っていました(知らぬこととはいえ、大変失礼しました)。
そんな山笠、昨年までは新型コロナウイルスの感染予防対策で中止されていましたが、今年は3年ぶりに全工程が開催されることになりました。
▼博多祇園山笠スケジュール(2022年度)
7/1(金)~15(金)
▼博多祇園山笠公式サイト
せっかくなので、博多祇園山笠について、まずは基本的なことからちゃんと知ることにしてみました(参考:YOKANAVI)。
770年以上の伝統を誇る櫛田神社の奉納神事
まず、起源は遡ること781年(!)、1241年に疫病が流行した際に、町民が祭壇にのって祈祷水を撒きながら町を清めて回ったのが発祥とされています(諸説あり)。
それから、博多の総鎮守・櫛田神社の奉納神事として受け継がれ、2016年には「山・鉾・屋台行事」として、ユネスコ無形文化遺産に登録されています。
山笠には『飾り山笠』と『舁(か)き山笠』があります。本来は現在の飾り山笠を舁いていましたが、明治になって電線が張り巡らされたことから、それまでの山笠を『飾り山笠』とし、高さを低くしたものを『舁き山笠』として舁き廻るようになったのだとか。
※ちなみに、岸和田だんじり祭は"曳く"ので「曳き手(ひきて)」。山笠は"舁く"ので「舁き手(かきて)」と言います。
そういえば、以前、博多の飲食店で食事をしていたときに、こんな扇子をいただきました。
(「777年」と書いてあります)
(「七番山笠 中州流」なんかかっこいいです)
山笠にはいくつかの流があるということは漠然と知っていました。おそらく、博多流とか祇園流とか、そんな感じなんだろう、と。すみません、これも全然違っていました(笑)
博多祇園山笠の7つの流
|恵比須流(えびすながれ)
・古くからある流で、旧七流(豊臣秀吉による太閤町割りで成立した七つの流)の一つ。旧町11ヶ町で構成される。
・当番法被(長法被/山笠期間中の正装)、水法被(山笠を舁かくときに着る短い法被)とも各町独特の柄。
・舁き手の数は少ないが熟練した舁き手が多く、櫛田入りではその神髄を発揮する。
|土居流(どいながれ)
・櫛田神社前の土居通りに面した10ヶ町で構成される旧七流の一つ。
・当番法被、水法被とも各町独自のデザインで、ほとんどが久留米絣(くるめかすり)を用い、"粋"との評判がある。
|大黒流(だいこくながれ)
・那珂川東側の町々12ヶ町で構成される。旧七流から続く伝統があり、昔ながらのしきたりも色濃く残っている。
・流の名称は、博多のもうひとつの祭り「博多松ばやし」の大黒天(大国主命)に由来。
|東流(ひがしながれ)
・旧七流の東町流を母体に、昭和41年にいくつかの流が合流して発足。
・JR博多駅から北に延びる大博通り東側がその区域となっている。
|中洲流(なかすながれ)
・戦後に生まれた流。高度経済成長期の間に起こった流の統廃合に左右されることなく続いている。
・舁き手には福岡への転勤族も少なくない。
|西流(にしながれ)
・昭和41年の町界町名整理を機に、いくつかの流が加わって成立。
・伝統を守り、長老や役員を敬う習慣がしっかり継承されている一方、若手衆による勉強会など新しい行事も始まっている。
|千代流(ちよながれ)
・中洲流れと同じく戦後に生まれた流。この地域には集合住宅が多いため、山笠参加者の数は圧倒的に増えている。
・子供山笠など後進の育成にも注力。
こうして見ると、それぞれの流で歴史や風習も異なり、大切にしていることが伝わってきますね。こういったことを少しでも知ってから山笠を見ると、楽しみ方も変わってきそうです。
3年ぶりの復活となる博多祇園山笠。活気に溢れる福岡の街が楽しみですね。オイサ!オイサ!