2022.09.22
【キャリアを考える④】多様化時代の企業選び・仕事選び
リージョナルキャリア福岡のコンサルタント、植田です。今年も台風の季節がやってきました。被害にあわれた地域には、心よりお見舞い申しあげます。
毎年、被害が最小限に済むことを願いつつ、「これが過ぎると涼しくなるんだろうな」と、秋の訪れを心待ちにしているシーズンです。
さて最近、転職希望者の方々のご相談をお聞きしていると、企業の選び方・仕事の選び方も千差万別で、とても多様化しているなと感じます。
世の中がどんどん変化していく中で、それぞれの方に積んでいる経験があり、身に付けているスキルがあり、仕事だけでなく生活環境の課題が、といったケースもありますので、いろんな選択肢が出てきますよね。
これまでに転職活動をお手伝いさせていただいた方の中には、転職後に良い感じで過ごしていらっしゃる方も、あらためて転職の道を選ばれた方もいらっしゃいます。
できることなら、お手伝いさせていただくすべての方に、良い感じで過ごしていただきたいと思っていますので、今回は、そういう思いも込めて、企業選び・仕事選びをする上で考えてみていただきたいポイントを3つご紹介したいと思います。
企業選び・仕事選びのポイント
1."今"という「点」ではなく、"これから"という「線」で考える
転職活動を進めていらっしゃる方の多くは、現在、あるいは少し先の課題を抱えていらっしゃる方がほとんどです。
例えば、お子さんが就学を控えており、それまでにご夫婦どちらかの地元で生活基盤を整えたい、というケース。生活環境や子育て環境の課題に合わせて、自身の転職(キャリア)について考え始める方がいらっしゃいます。
そのときに、「これまでの経験・スキルが活かせる職場で新たなスタートをしたい」、「できるなら給与も変わないような選択肢が良い」という希望が出たとします。
確かに、そういった選択肢があれば、それも良い選択肢の一つだと言えると思います。しかし、それだけの時間軸で決めてしまうのではなく、せっかく考えるのなら、もう少し長い時間軸で考えてみてほしいのです。
例えば、「これまでの経験・スキルが活かせるか」だけでなく、「これからの経験は自分自身がやりたいことなのか」、「将来にとって有益なものになりそうか」、「そこで身に付くスキルは自身の成長を後押しできそうか」、「市場価値は高いか」、という具合に。
また、給与についても、現時点の給与からそんなに変わらない方がいいでしょうし、できれば上がることを希望される方もいらっしゃるでしょう。
でも、「入社した後はどうなっていくのか」、「キャリアステップはどうか」、「給与だけでなく市場価値も上がりそうか」と、ここでも長い時間軸で考えてみるとどうでしょうか。
私たちは、"今"という「点」の情報だけでなく、"これから"、つまり「線」の情報を入手するよう活動しています。
ぜひ、そういった線の情報まで判断材料にして、選択肢を広げてみていただけたらと思います。
2.仕事は「何をやっているか」だけではない
世の中の仕事を見たときに、多くの方は「何をやっているか」をまず捉えようとします。
でも、よくよく考えると、世の中の仕事は常に誰かがやり始めたことが、なんとなく形になってきて、そのうち、何をやっているのかは後から決められた分類に当てはめられているだけだと感じるのです。
そして、仕事は、その仕事をしている人たちの経験や価値観に大きく影響を受けます。
ですから、「何をやっているか」を正しく捉えることができたとすれば、それに加えて、「どのようにやっているか」、「誰がやっているか」までよく見て、大切な判断をしていただけると良いと思います。
3.選考スピードはその会社の仕事のスピード
いろんな角度から情報を精査して、自分にとっての選択肢が見えてきたら、第一希望から順に1社ずつ受験することをお勧めします。
なぜかというと、すべての選択肢を並行して受験した場合、例えば第1希望の企業の選考を終える前に、第2希望の企業から内定が出て、承諾期限を迫られる、なんてことも起こり得るからです。
この場合、第2希望の企業の内定を辞退して、第1希望の企業から内定が出ることに賭けるか、第1希望の企業の選考を辞退して、第2希望の企業の内定を承諾することになります。
ですから、もしいくつかの選択肢があるのなら、その中で希望順位をはっきりさせて、第1希望から順に受けることをお勧めしています。
さて、ここでお伝えしたいのは、選考の受け方ではなく、企業の選考スピードは、まさにその企業の仕事のスピードだということです。
面接日程の調整に時間がかかったり、面接の合否が出るまでに時間がかかったり、という場合、その企業の仕事はそういうスピード感になっているということです。
それが良いか悪いか、ということではなく、そのスピード感がご自身に合うかどうかを判断されると良いと思います。
転職やキャリアにおいて、また、生活面を含めた"生き方"において、ますます多様化が進むこの時代。より柔軟な考え方や広い視野が必要と感じますので、そのヒントになれば幸いです。
それでは今日はこのへんで。シリーズ次回にご期待ください!