2024.06.14
「人生100年時代」のUターン・Iターン転職を考える
リージョナルキャリア福岡のコンサルタント、植田です。
今回はキャリアコンサルタントらしく(?)、「キャリア」について最近感じていることをまとめてみたいと思います。
ちなみに私たちキャリアコンサルタントが言う「キャリア」とは、いわゆる「ビジネスキャリア」に限らず、仕事はもちろん、プライベートや家族、地域との関りなどを含めた「ライフキャリア」を指していますので、その前提で読み進めていただけたらと思います。
「人生100年時代」に何をイメージする?
「人生100年時代」と言われ始めて久しいですが、この言葉を聞いたとき、みなさんは「何歳から先の100歳まで」をイメージするでしょうか。多くの方は職場における「定年」、つまり60歳~65歳から先の人生を思い浮かべるのではないでしょうか。
そうすると、仮に65歳で定年を迎えたとして、そこから100歳までは35年もあります。
私には、「人生100年時代」という言葉には「会社の第一線を退いた後の35年間(人生)をどのように生きるのか」という問いが含まれているように感じられます。
平日はバリバリと仕事に打ち込み、休日は家族との時間を過ごしたり、趣味や休養に時間をあてる。そうしているうちに、気づけば定年を迎える年齢に――。定年退職をすると、ひとまず仕事仲間との関係性は自然と薄れていくでしょう。
そのときに、自分は仕事以外に何かコミュニティを持っていたり、所属したりしているだろうか、と考えてみてください。
その答えが「No」だとしたら、要注意かもしれません。
「いざ」というときに立ちはだかる障壁
私は幸いなことに、生まれてからほとんど地元に住んでおり、学生時代の友人や仕事以外のコミュニティにも恵まれている方だと思います。
それでも、50歳を目前にした今、仕事以外のコミュニティとの接点をもっともっと増やそうと思っています。地域のボランティア活動に参加したり、新たな趣味にも挑戦するつもりです。
なぜかって?・・・退職後にどう過ごすか、たくさんの選択肢を作っておかないと、暇を持て余してしまいそうだからです(笑)。
正直な話、Uターン・Iターンのサポートを生業としている私がこう言うのもアレですが、仕事のことだけを考えるのなら、都会で就職し、多くの刺激を受けて過ごすことをお勧めします。
特に大学を卒業してからの20代や30代の大半は、その方が市場価値も上がると思います。
しかし、そうやって例えば現在の私と同じ年齢になったとき、いきなりUターン・Iターンして、仕事以外のコミュニティを見つけて参加したり、新たな趣味を見つけたりできるでしょうか?
人によっては問題なくできるかもしれませんが、別の障壁が立ちはだかることもあります。それは、転職がかなり大変になることです。
「100年の人生」を見据えたU・Iターン転職のススメ
「35歳転職限界説」がささやかれていた一昔前と比べると、その傾向は薄れてきています。現在、私たちが転職を支援している方々の平均年齢は35.9歳です。
(参考)2024.01.12 転職成功者プロフィール【2023年通期版】を公開しました。
しかし、35歳を超えてくると、一定のスキルや経験業界、経験職種の一致がないと転職が難しくなるのも事実です。
ですから、「人生100年」という視点で将来を見据えたときに、現在住んでいる場所でイメージがうまく描けないのであれば、イメージができる場所に計画的に移動した方がいいと思うのです。
多くの人にとって、その場所は自分自身や配偶者の故郷だったり、Iターン人気の地だったりします。私がUターン・Iターン転職を適齢期にすることをお勧めするのは、こうした背景や思いがあるからです。
ちなみに、30代半ばでUターン・Iターン転職をする方が多い一番の理由は、「定年後どうするんだ?」とか「仕事以外のコミュニティが」といった問題ではなく、実は「子育て」です(笑)。
地方都市では保育園の待機児童もほとんどいませんし、「職住近接」で仕事と育児のバランスを取りやすく、さらに親御さんが近くにいれば支援も受けやすいですからね。
ですが、「子育て」が主目的でなくとも、今回お伝えしたように定年後の過ごし方を見据えて30代半ばでUターン・Iターン転職をすることは大いに意味があります!(キリッ)
暮らしたい場所で早くから仕事以外のコミュニティを育て、新しい趣味も増やしていきましょう!