2024.07.19
転職コンサルタントから見る成長都市・福岡のポテンシャルと課題
リージョナルキャリア福岡のコンサルタント、瀬川です。
先日、福岡市の人口推計に関連する情報を調べていた際、京都大学経済研究所教授で都市経済学者の森智也氏のコラムに辿り着きました。
都市を通して考える日本の未来 / 森知也
「100年後の未来に、成長を続ける都市が東京と福岡だけだと聞いたら、みなさんはどう思いますか
」--そんな書き出しで始まる同氏のコラム。
森氏を中心とする研究チームが独自の予測モデルで100年後の都市盛衰をシミュレーションしており、このままいくと100年後には日本の人口が3,000万~5,000万人程度になる中で、東京と福岡が人口シェアを大きく伸ばすと纏められています。
(森智也氏コラムより引用)
福岡の人口シェアの成長は、自身の推進力があることを示唆しています。東京から十分離れつつ、九州という小さくない後背地を持ち、かつ、韓国や中国といった近隣の国へのアクセスも良いなど、いくつかの利点が重なるのが福岡です。 特に、博多駅が山陽新幹線のターミナル(終点)であることの利点は大きいでしょう。交通網の終点であるメリットは、十分な後背地があってこそです。
福岡市については、2040年頃まで人口が増え続けるという推計が発表されています(参照:福岡市による発表資料-PDF)。
そのため、多くの企業が人材採用・労働力確保を目的に福岡に進出しています。現在では人口増加以上に企業数が増加し、人材採用においてはレッドオーシャン化が進んでいると実感しています。
これは労働者にとっては良いことですが、企業数や求人数といった「数」だけに着目すると、本質を見誤ってしまいます。
増えている求人の多くは、東京で立ち上がったプロジェクトや業務を補完するものであったり、ニアショア的な要素が強く、主に"労働力確保"を目的としています。
繰り返しになりますが、これ自体をネガティブに捉えているわけではありません。目的がどうであれ、仕事や求人が増えるということ自体は個人にとって良いことです。
ただ、「新たなビジネスを生み出す」「プロジェクトを立ち上げ主導する」「会社の基盤を整える」といった事業戦略や企画、経営管理など、コーポレート業務や独自性の高い仕事に就きたい人たちにとっては、選択肢が限られ、中長期のキャリアを描きづらい状況があるように思います。
この状況を打破するためにも、私たちは地元企業に深く入り込み、独自性の高い求人の開拓や企業への働きかけに努めてまいります!