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転職ノウハウ2024.07.26

プロが解説!福岡へのU・Iターン転職に関するよくある質問②暮らしやすさ編

リージョナルキャリア福岡のコンサルタント、原田です。

私は福岡へのU・Iターン転職を支援するキャリアコンサルタント(※)として、日々多くの方々のご相談をお受けしています。

(※)国家検定 2級キャリアコンサルティング技能士

その中で、よく尋ねられる質問がいくつかありますので、一つずつ取り上げながら掘り下げて解説していきます。第2回目となる今回は「暮らしやすさ」に関する質問です。

よくある質問.jpg

質問「福岡が暮らしやすいと言われるのはなぜ?」

福岡出身の方はもちろん、県外からの移住希望者の方々からもよく聞かれるのが「福岡は暮らしやすい」というコメントです。

ネット上でも福岡の暮らしやすさに関する情報は多く見受けられますが、あらためて、なぜ福岡が暮らしやすいと言われているのか、そして気を付けておかなければならない注意点を併せて解説します。


理由①物価が安い(生活コストが抑えられる)


総務省が毎年発表している「消費者物価地域差指数」によると、2023年の結果では、全国平均を100としたときに東京都が104.5で第1位、福岡県は97.1で第42位と、全国で5番目に低い水準となっています。

消費者物価地域差指数 2023年.jpg

(出典:総務省「消費者物価地域差指数 -小売物価統計調査(構造編)2023年(令和5年)結果-」より抜粋)

また、全国賃貸管理ビジネス協会によると、東京と比べた福岡の家賃相場は約7割程度です。

→東京1部屋75,886円:福岡1部屋52,190円 / 東京2部屋91,168円:福岡2部屋65,635円 / 東京3部屋99,151円:福岡3部屋71,258円

全国賃貸管理ビジネス協会「全国家賃動向(2024年6月調査)」.jpg

(出典:全国賃貸管理ビジネス協会「全国家賃動向(2024年6月調査)」より抜粋)

物価が安く生活コストが抑えられるという点は、「暮らしやすさ」に直結する大きなポイントとなっています。

<ここに注意>

大都市圏に比べて物価(生活コスト)が安い一方で、賃金相場も低いという点に注意する必要があります。

厚生労働省が発表している「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、福岡の平均賃金は東京を100とした場合80.6、大阪を100とした場合87.4となっています。つまり、東京と比べると約2割、大阪と比べると1割強、賃金相場が低いという状況です(参照:厚生労働省HP(PDF))。

また、福岡の地価が上昇し続けている点にも注意が必要です。

国土交通省が発表している地価公示を見ると、福岡の地価は2013年以降上昇し続けており、特に最近は「天神ビッグバン」や「博多コネクティッド」といった大規模再開発が進む天神エリア・博多エリアの上昇率が全体を牽引しています(参照:国土交通省HP)。

そのため、住宅の購入を考えている方はもちろん、賃貸物件を検討している方からも「思ったより住宅コストが家計を圧迫しそうだ」という声を聞くことが増えています。

生活コスト.jpg

理由②交通サービスが充実している


福岡県の中でも特に福岡市およびその近郊は公共交通サービスが非常に充実しています。

博多駅から地下鉄で5分に位置する福岡空港のアクセスの良さはよく知られており、さらに、地下鉄の「空港線」「箱崎線」「七隈線」の3路線、西日本鉄道の「天神大牟田線」「太宰府線」「甘木線」「貝塚線」の4路線、そして700を超える路線を持つ西鉄バスなど、公共交通サービスの利便性の良さは「暮らしやすさ」に直結すると言えるでしょう。

また、「コンパクトシティ」と形容される都市構造であることから、「職住近接」が実現しやすい環境にあり、通勤・通学の片道平均時間は36分で、7大都市圏(※)の中で最短となっています(参照:総務省「令和3年社会生活基本調査」)。

(※)人口100万人以上の都市が含まれる「関東」「近畿」「中京」「札幌」「広島」「仙台」「福岡・北九州」の7つの都市圏

さらに、博多から南に位置する春日市や大野城市、北東に位置する古賀市や福津市といったベッドタウンとして人気のエリアにも鉄道によるアクセスが容易です。

福岡・博多エリアから車を1時間も走らせれば山や海といった豊かな自然にアクセスすることも容易なため、特にファミリー層から「暮らしやすさを感じる」ポイントの一つとしてよく挙げられます。

<ここに注意>

都市構造としては「コンパクトシティ」ですが、福岡市の人口は165万人を超えており(2024年6月現在)、さらに九州各県からの若い世代などの流入を背景に、2040年には170万人を超えるという推計が発表されています(参照:福岡市による発表資料-PDF)。

そのため、通勤ラッシュ時や週末などは公共交通サービスも混雑が発生しています。

東京などの大都市圏からU・Iターンした方が「ラッシュからの解放」を見込んでいたものの、期待が外れたというケースも実際にありますので注意が必要です(それでも東京に比べれば電車やバスに揺られている時間は短くなるケースがほとんどですが)。

また、先述の「地価の上昇」を背景に、ベッドタウンのエリアにも影響が出始めています。

福岡市中心部での住宅購入が難しいと考える世帯が近郊エリアで住宅を購入するケースが増えており、その結果としてこれらのエリアの地価も上昇傾向にありますので注意が必要です。

七隈線.jpg

まとめ

今回は「福岡の暮らしやすさ」について解説しました。

福岡は物価(生活コスト)が安く、利便性の高い公共交通サービスを活かしたコンパクトシティの強みを存分に発揮しています。

一方で、地価の上昇や人口の増加など、成長都市ならではの注意点があることもお分かりいただけたかと思います。

私たちが支援している「U・Iターン転職」では、転職だけでなく、「暮らし」や「ライフプラン」といったテーマも重要な要素としています。

福岡出身の方であっても、「福岡を離れて久しい」という方の場合、現在の(凄まじい勢いで変化する)福岡での暮らしを想像するのが難しいと感じることもあるでしょう。

最新の情報を得ながら、将来的なU・Iターンを考える第一歩を踏み出したい方は、ぜひリージョナルキャリア福岡の相談会にご参加ください。

福岡へのU・Iターン転職に強みを持つコンサルタントが、中長期で伴走します。

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この記事を書いた人

チーフコンサルタント 
原田 昌和

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