2026.09.16
パートナー・インベストメントマネージャー・社長の3人に聞く ~ FVPでは、どんな人たちが、どんなふうに働いているのか
ふくおかフィナンシャルグループのベンチャーキャピタルとして、福岡を拠点にスタートアップへの投資と成長支援を担う株式会社FFGベンチャービジネスパートナーズ(FVP)。リージョナルキャリア福岡では、これまで企業TOPインタビューや転職成功者インタビューを通じて、同社をご紹介してきました。
今回はその続編として、社長・パートナー・インベストメントマネージャーの3名に一堂に会していただき、「お互いがどう見えているか」「この会社の空気はどんなものか」を率直に語っていただきました。求人票からは伝わらない、FVPの"中の人たち"の姿をお届けします。
※写真左より 松延社長、パートナー 松永さん、マネージャー 矢野さん(掲載写真はすべてリージョナルキャリア福岡撮影)
目次
チームで取り組むスタートアップ投資。パートナーとマネージャー、それぞれの役割
まず、いまのお仕事とお役割を教えてください
インタビュアー:
今回は、FFGベンチャービジネスパートナーズ(FVP)から3名にお集まりいただきました。お聞きしたいのは、人事評価や人事的な話ではありません。矢野さんから見て松永さんがどう見えているか、松永さんから見て矢野さんがどう見えているか、社長から見てお二人がどう見えているか。そして、この3人から見て、この会社がどう見えているか。
転職を考えていらっしゃる方に、求人票からは伝わらないこの会社の空気が届けばと思っています。今日はよろしくお願いします。
松永さん:
ありがとうございます。今は投資事業部のパートナーという役職に就いております。
これまでは、自分自身の投資担当、投資先へのご支援、ソーシングやデューデリジェンス、投資実行といった投資活動にフォーカスすることが多かったのですが、この職位についてからは、ご一緒しているチームの方々の投資をどうすればより良い形に持っていけるか、チームの皆さんが担当されている投資先様に対して会社としてどのようなご支援を行うと良いか、といったところまで含めて責任を持って見ている状態です。
インタビュアー:
もともとはご自身の投資先のみを見るということでしたが、投資先の数でいうと、どんな変化があるんですか。
松永さん:
個人の時でいうと20社くらいだったものが、今チーム全体で言うと50弱ぐらいになっているので、2倍ちょっとですね。
それに加えて今は投資委員という役割でもありますので、自分のチーム以外の投資案件についてGO/NO GOを判断する立場でもあります。そうすると、会社の全投資先様の状態について一定以上は把握しておりますので、そこまでカウントすると130です。
インタビュアー:
全部で130ですか。可能なんですか、それって。
松永さん:
自分が担当している20社の濃度を、50社、130社に広く理解できるかというと現実的ではないので、何をどこまで把握すべきか、各担当の方々には何をどこまで把握していただいて、自分自身はどういった点を見るべきか、といった濃淡、メリハリはつけるように意識をしています。
インタビュアー:
チームは何人いらっしゃるんですか。
松永さん:
現在は、出向しているメンバーも含めて、自分を除いて5名です。一般的なベンチャーキャピタルで考えたときに、1パートナーが見る人数としては平均的かなと思っています。少なくもないし、多くもない。
インタビュアー:
1対多のコミュニケーションの結節点の限界が7名だと言いますもんね。7名を超えるとわけがわからなくなるらしいので。
松永さん:
他業種様ではマネジメントの方が7名を超えているケースも散見されると思うので、その時はその時で、頑張るんだろうなと思います。
インタビュアー:
ちなみに、ご入社されて何年目になりますか。
松永さん:
8年目です。7年目が終わって、8年目に入っています。
松延社長:
私より前でしたよ。
松永さん:
本当にそうですね。会社でのキャリアは、私の方が長いです。

インタビュアー:
矢野さんにも同じ質問をさせてください。
矢野さん:
私はインベストメントマネージャーという職位で、松永さんがパートナーという形で上長にあたる、そのチームのメンバーの一人になります。
ですので、今のロールとしては、ソーシングからデューデリジェンス、投資実行、その後の担当としてバリューアップに関するご支援の窓口、という形で務めております。担当社数は今7社で、自分でソーシングから最後の実行まで手がけたものが5社です。
インタビュアー:
投資先は、今後も増えていくという感じですか。
矢野さん:
そうですね。まさに、こちらに入社してベンチャーキャピタリストとしての活動を開始したと言っても過言ではないので、最初のほうはオンボーディング期間も含めて、なかなか投資先数が伸びないところもあったんですけれども、去年、今年という中でソーシング数が増えてまいりまして、今後もさらに伸ばしていきたいと考えております。
インタビュアー:
無事イグジットしない限りは、増えますね。
矢野さん:
基本的には。ただ、望まない形で株式を手放さなければならない時もありますので。
上司から、部下から、社長から。お互いは「どう見えているか」
松永さんから見て、矢野さんはどんなふうに見えていますか
インタビュアー:
先にご入社をされた松永さんから見て、後から入ってこられた矢野さんはどんなふうに見えていますか。
松永さん:
素晴らしい方にジョインいただけたなと思っています。
パーソナリティとしてベンチャーキャピタリスト適性が非常に高いと思っておりますし、これまでのご経験、たとえば海外に対する知見の深さや、これまで見てこられたビジネスに対する造詣の深さといった強みを、ベンチャーキャピタリストとして新たにアンラーンして振る舞いを調整しなければならない部分と、本当にうまく融合してくださっている。これまでのご経験を活かしながら、素晴らしいキャリアを作ってくださっているなと思っています。
インタビュアー:
楽しそうにされていますか。
松永さん:
楽しそうにされていますが、一方で悩んでいらっしゃるなと思っています。楽しいだけですべてやれる仕事ではないと思う中で、正しいことにちゃんと悩まれているというか。この職種に向き合っていく以上、誰しも悩むポイントだなと私が思う点に、しっかりとぶつかってくださっている。そこを見逃さずに、あまり考えることなくこなしていくという形ではなく、一つ一つ考えながら、悩みながら進んでいってくださっているなと思います。
矢野さんから見て、松永さんはどんなふうに見えていますか
インタビュアー:
言いにくいかもしれないですけれども、逆はいかがですか。
矢野さん:
私が御社を通じてこちらに入社させていただく前に、松永さんの外部インタビューを読ませていただいて、その後、松永さんに個別で1時間お時間をいただいたんです。
そのときから私の目指すキャピタリストでありますし、それはずっと今も続いておりますので、同じチームで、上長と部下という関係でいられて、とてもありがたいと思っております。
インタビュアー:
今、直属の部下でいらっしゃるんですね。
矢野さん:
はい、そうです。

社長から見て、お二人はどんなふうに見えていますか
インタビュアー:
松延社長、ものすごく言いにくいかもしれないですけれども、お二人は社長から見てどんなふうに見えているんですか。
松延社長:
松永君は、最初に入って、ずっと成長してもらって。うちで、いわゆる外部採用ではない、内部昇格のパートナーって、彼が一号なんですよ。それぐらい、やっぱりしっかり成長してもらっているなと。
私はスタートアップの業界知識は全然ないので、それを抜きにして、私が見れる範囲のマネジメントとして見ていても、すごく成長してきていただいている人物だなと思っています。
インタビュアー:
矢野さんについてはいかがですか。
松延社長:
矢野さんは、さきほど「ユニーク」というお話をしたとおり、それが最も現れている方かなと。ユニークって、変な意味じゃないですよ。おかしいという意味じゃなくて、かっこいいな、のほうのユニークです。
他のキャピタリストと違う領域、違うものを持って入られているので、そこをしっかり、今、松永君の主導のもとで伸ばしていってもらっているんだと思いますし、きちんとステップを積んで今の経験がある。一つ飛ばしてガンという感じではなくて、ちゃんと一段ずつ登っていって、今成長してもらっているなという感じがします。
これはお世辞ではなくて。あと、すごく謙虚で、すごく誠実なところが魅力的に感じます。松永君もそうなんですけどね。お二人とも、ちゃんとした方だなと思います。
インタビュアー:
本当にそうですよね。
自由の分だけ自律が要る。縦割りでない、FVPの空気
この会社は、どんな雰囲気の組織でしょうか
インタビュアー:
これはどなたからでもいいのですが、この会社ってどんな雰囲気なんでしょう。銀行と比べてでもいいですし、コンサルティングファームと比べてでも、ファンドと比べてでも構いません。
松延社長:
銀行と比べてでいうと、やっぱりかなり個人にお任せしている部分があります。そういう意味では自由である反面、それで遊んでいるわけにもいかない、成果を出していかないといけない。自由でいる分だけ自律が求められる組織であり、雰囲気であるかなと思います。皆さん各自に専門的に仕事をしてもらっているので、そういう意識がありますね。

インタビュアー:
松永さんはどうですか。
松永さん:
せっかくなのでコンサルティングファームと比較しますと、同じようにプロフェッショナルな方々の集まりだなと思っております。自由活発という面と、プロフェッショナルとして成果や、自分の説明責任・作業品質に対してしっかり責任を持たなければいけないという面を、併せ持った組織だと思います。
一方でコンサルティングファームよりも、スタートアップのような、新しいことに挑戦していらっしゃる方々、新しい産業を起こそうとする方々とご一緒していることもあって、ポジティブなエネルギーが充満した組織だなと感じています。
インタビュアー:
どちらが過ごしやすいですか。
松永さん:
それは、こちらですね。
インタビュアー:
矢野さんはどうですか。
矢野さん:
私は別の銀行組織と海外拠点を経験したので、そこと比べますと、こちらは大きな所帯ではないということもありますが、やっぱり部門同士の交流が盛んで、いわゆる縦割りの組織ではないというのが一番感じるところです。
自分のチームだけではなく、他にもいくつか部門があるんですけれども、そういった方々とも積極的に交流しますし、そうでないと投資先へのバリューアップができないというところもありますので、横の連携をすごく感じる会社、オフィスだと思います。
海外との比較でいうと、私は海外では銀行とファンドにいましたけれども、こちらはよりオープンな雰囲気ですし、もっと柔らかいですね。私がいたところは、投資ファンドの中でも成果を常に求められますし、その成果に対する個人のプレッシャーが強く大きかった。それよりも「会社として支える」という雰囲気を、こちらでは大きく感じます。オープンで、かつディスカッションが奨励されている、良い雰囲気だなと思っています。
松延社長:
グループの意識調査の中でも、めちゃくちゃいいんですよね。それは皆さんのおかげだと思うんですけど、会社に対する期待と一致しているというか、個人のやりたいことと会社の思いが一致している組織ではないかと思います。言えるという雰囲気があるのがいいんじゃないですかね。あまり物を溜め込まなくていいというか、外に発散できるのがいいのかもしれません。
社内の関係性は、どんな感じなのでしょうか
インタビュアー:
仕事の仕方についてはなんとなく分かってきたのですが、ここで働いている方々の関係性というのは、どんな感じなんでしょう。
矢野さん:
私から言うと、マネジメントの方々、松延社長であったり松永さんは、ちゃんとラインが引かれていて、経営という立場です。ただ、それ以外の方々は、他の部門の方も、自分のレポートライン上の方も含めて、私にとっては全員ピア、同僚というような位置づけでお話しさせていただきますし、お話ししていただきたいなと思っています。
年齢や経験年数はそれぞれ少しずつ異なるんですけれども、それぞれのポジションから生まれた意見や、どのようなことができるかというのはそれぞれ異なりますので、年齢や職位を考えることなく、すべてフラットな形で話ができるというのが良いと思っています。
インタビュアー:
ベンチャーキャピタリスト同士はどうでしょう。
松永さん:
本当に仲間というか、同志というか。なかなか正解がない業務の中で、それぞれがそれぞれに大変な思いをしたり、悩んだり、投資先様の状況について思いを巡らせたりということが多くある。だからこそ、本当に悩みが共有しやすいというか、お互いに悩んでいないことがあり得ないなと思えるので、より悩みを分かち合いやすい、困っていること、うまくいったことをシェアしやすい関係性だなと思っています。
一方で、他の部門の方々も、同じスタートアップ様にとって、もしくは福岡・九州の地場企業の方々にとって、どう役に立っていくかという観点では、同じように仲間だと思っています。少し立場や役割は違えど、考えていること、やりたいことは同じなので、悩みのシェアをし合うことはあまりないんですけど、ある1社様に対してどうやっていこうか、どんなご支援をしていくといいかというところでは、かなり情報交換も日々のやりとりも多い。連携が取りやすく、同じ思いを向いて、この人たちをどうしたらもっと良くできるだろうかという思いで向き合えることが、非常に心地いいなと思っています。
知的好奇心と「辛楽しい」を分かち合う覚悟──この仕事に向いている人
どんな人が、この仕事に向いていると思われますか
インタビュアー:
これから入ってくる人を考えたときに、どんな人がこの組織、この仕事に向いているとお感じになりますか。経験やスキルは置いておいて、タイプというところにフォーカスすると。
松永さん:
個人的には、知的好奇心の旺盛な方ですね。いろんな投資先様を見たり、いろんなテクノロジーに必然的に触れなければならない職種だと思っているので、そういったものを勉強する、キャッチアップする大変さよりも、楽しさを見出せる方が良いなと思っています。
あとは、こうなったらいいなと思っている未来や方向性を持ってくださっていて、それを実現するために誰かと一緒になって取り組むことが楽しい方。投資家というのは、一人だとほとんど何もできないことが多いんです。投資先様と一緒に、周りの方々と一緒に取り組むべき仕事だと思っている中で、あるべき方向性や未来をぼんやりとでも持っていて、かつそれを一人ではなく、いろんな方と一緒に取り組むことに楽しみを持てる方が向いていらっしゃるんじゃないかなと思います。
インタビュアー:
その人って、どんな人なんでしょうね。そう言われた側が「あ、それは自分だ」と思えないかもしれないので、もう少しだけ。
松永さん:
毎日ニュースを見るのは苦じゃない。初めてお会いする人に「今、どんなことをやってらっしゃるんですか」と聞いて、そこから好奇心が刺激されて、次の質問を出すことに抵抗を感じない方。それが自然にできる方は、向いていらっしゃるんじゃないかなと思います。
インタビュアー:
社交性が高い、というのとは少し違うんですね。何かに興味関心をちゃんと持てて、それを人とのキャッチボールの中で深めていける方、という。
松永さん:
あまり自己完結しない方がいいので、他の方に話しかけたり、他の方がおっしゃっていることに対して、「何か質問がある人」で手が挙げにくいというよりは、自然と質問を出せるような方は、すごく向いていらっしゃるのではないかと思います。
インタビュアー:
会議中に気がつける人がいい、という感じですかね。黙って聞いている人ではなくて、テーマがあったときに話ができる人。......松永さんご自身は、そんなに社交的なタイプではないですよね。
松延社長:
社交的ではないと思いますよ。なんかスイッチを入れている感じはしますよ。
松永さん:
お仕事の時間だから頑張っています。
インタビュアー:
矢野さんはいかがですか。
矢野さん:
意見を持っている、というのが多分前提にあると思っていまして。あとは、いわゆる投資家というだけであれば、スイッチを入れて、バリューを出すために自分のリソースを使えれば、投資家として何かをなせるということはあると思うんです。ただベンチャーキャピタリストの場合は、そこに行くための起業家ご支援のボリュームが相当大きい。
DeNAの南場さんもおっしゃっていたように、起業家というのは「辛楽しい」ものだと。辛いも半分入っていて、それでも楽しめる。楽しいだけではない。その辛楽しい方とご一緒して、自分の辛楽しいを分かち合っていただいたり、自分もそこにちゃんとコミットする覚悟ですかね。あえて言うなら、覚悟をちゃんと持っている方が良いかなと。
投資家という枠だけではなくて、その辛いものをちゃんと包むことができる方と、ベンチャーキャピタリストとして一緒に働きたいなと思います。
インタビュアー:
ありがとうございました。いろんな側面をお聞かせいただけたと思います。