株式会社西日本シティ銀行
平岡章さん(仮名・情報システム担当) 29歳
まず目を向けるべきは、求人ではなく自分自身。その気付きが理想の転職に繋がった。
地元福岡の教育機関で情報システムの構築に携わっていた平岡さん。勤務地や将来のキャリアに対する思いから転職を考え、多くの企業に応募するも、なかなか思うように活動は進まない・・・。行き詰まった平岡さんが門を叩いたリージョナルキャリア福岡で、コンサルタントに指摘されたのは「キャリアイメージの不透明さ」だった。
それから繰り返し自分自身と向き合い、答えを出していった先に待っていたのは、まさに理想的と言える企業との出会い。平岡さんは「引け目に感じていたことや、さらけ出しにくいことを、うまく引き出してくれた。そのプロセスがあったからこそ、この結果を得られた」と、当時を振り返る。
そんな、コンサルタントとの二人三脚の日々について、お話を伺った。
※本記事の内容は、2021年12月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 0回
- 活動期間
- エントリーから内定まで67日間
転職前
- 業種
- 教育
- 職種
- 情報システム担当
- 業務内容
- 学内組織全体のIT環境構築、運用
転職後
- 業種
- 金融
- 職種
- 情報システム担当
- 業務内容
- 社内全体の各種システム/IT環境の構築、運用
行き詰まった転職活動の突破口は、自分自身と向き合うことにあった。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
西日本シティ銀行本店のIT統括部で、社内の様々なシステムやIT環境の基盤構築、運用などに携わっています。
当行では「博多コネクティッド」と呼ばれる再開発事業に伴い、現在3棟に分散している銀行機能を新本店ビルへと集約する、というプロジェクトが進んでいます。その中で、IT統括部でも様々なテーマでプロジェクトが進む見通しです。
システムの移管はもちろん、オンプレミスからクラウドへの移行、RPA導入といった業務効率化に向けた企画など、あらゆる部分で「ITの在り方」を再定義しながら、全体像を形作っているところです。
入社前のご経歴を教えてください。
福岡出身で、県内の大学を卒業後、教育機関に入職しました。そこではIT部署に所属し、学校組織全体の情報システムの運用や管理を行いました。
大学時代はITとはまったく違うことを学んでいたのですが、卒業研究でIT領域にも触れていたことから興味を持っており、仕事として取り組んでみても、おもしろみとやりがいを感じることができました。
今振り返ると、学生の顔写真を収集するシステムを構築したり、学内ユーザー向けのアプリケーションの利活用を推進したり、オンプレミスからクラウドへの移行、ネットワーク障害対応、セキュリティ強化など、かなり広い範囲をカバーしていました。
イチから勉強していくことも多く苦労はありましたが、その学びによって仕事の成果に繋げていくというプロセスは、自分の性にも合っていたと思いますね。
転職のきっかけは?
転職を考えるようになった理由はいくつかあります。まず1つ目は、福岡市内で暮らしたいという希望からです。
結婚し、私の職場に近い県南部に妻と居を構えていたのですが、妻の職場は福岡市内だったため、通勤に負担を強いるようになってしまいました。それを解消したいということと、今後子どもが生まれたときのことなどを考えると、利便性の良い福岡市内で暮らしていきたいという思いが強くなりました。
2つ目は、自身のキャリアに関する理由からです。前職では広い領域で様々な経験ができたのですが、裏を返せば「広く浅く」という感じで、自分のキャリアにどこか自信を持てないところがありました。今後のキャリアの方向性をしっかりと定め、より深くコミットし、経験値を高めていける環境を模索したいと考えるようになりました。
それから、前職は将来的に得られる収入のMAXがすでにある程度見えていたので、経験やキャリアを積むことで、収入を伸ばしていける見込みがある環境でチャレンジしたい、という思いがあったのも転職理由の一つです。
転職活動はどのように進めましたか?
まず初めに、大手転職エージェントや転職サイトを利用しながら、複数の企業に応募していきました。「チャレンジしたい」という思いが強かったので、ITコンサルティングファームや大手SIerを中心にアプローチしましたが、なかなか良い縁にたどり着けず、行き詰まりを感じるようになりました。
そこで福岡に特化した転職支援会社は無いかと探したところ、リージョナルキャリア福岡を見つけるに至りました。担当コンサルタントと面談し、自分の思いや希望を伝えると、コンサルタントからは「今の状態ではまだ求人は紹介できない」という答えが返ってきました。
コンサルタント曰く、福岡市内で暮らしたいこと、将来的に年収を上げていきたいという点は理解できるが、キャリアイメージがまだ抽象的すぎる、ということでした。
確かにその時点では私自身、これまでの経験から何を得てきたのか、今後どういうキャリアを目指し、自分にとってのチャレンジとはつまり何が実現できれば良いのか、といった部分がクリアになっていませんでした。
面談ではさらに「紹介される求人ありきで取捨選択するのではなく、まずは自分と向き合って、キャリアの軸を定めることが大事」というアドバイスをもらい、職務経歴書を作り込む過程でこれまでの歩みを棚卸しする方法などを教えてもらいました。
そして後日、2回目の面談をリクエスト。あらためてキャリアイメージの擦り合わせを行い、転職の方向性とアクションプランを決めることができました。
今の会社に決めたポイントは?
2度の面談を経て紹介してもらった西日本シティ銀行のポジションは、まさに自分にとってぴったりマッチしていると感じられるものでした。
それまでは「数撃ちゃ当たる」という感じで多くの企業にアプローチしていましたが、あらかじめ自分の軸を定められていたことで「一社集中」で面接に向けた準備なども進めることができました。
企業側との面接でもズレを感じることはなく、最終面接終了後には「ぜひ内定をもらいたい!」という思いでしたので、オファーに対してはほぼ即決で受諾しました。
さらけ出しにくいことを、うまく引き出してくれたコンサルタントに感謝。
転職していかがですか?
面接では自分の軸にマッチしていることに加えて、「人の良さ」「雰囲気の良さ」をとても感じたことが印象的でした。
実際に入社後、皆さんとてもフランクで、IT統括部は中途入社メンバーも多いのですが、それぞれがバックグラウンドを活かしながら強みを発揮していて、それを相互に尊重しながら同じ方向を目指していこうというマインドが強い部門です。そういう意味で、働きやすさはとても感じていますね。
それから、プロジェクトの規模が前職より大きく、関わる人の数も格段に多いので、その中でしっかりコミットしていくというモチベーションを強く持てています。
勤務地や年収推移についてももちろん希望通りですし、あらゆる面で、申し分のない転職ができたと思っています。
困っていることや課題はありますか?
まだ入社して間もないので、業界の違いにアジャストしていくことが目下の課題ですね。銀行そのものや、銀行を取り巻く外部環境などについてしっかり学び、理解していなければ、IT統括部のメンバーとして自分がすべきことを見誤ってしまいかねませんから。
それから、前職は少し公務員的なマインドの強い環境でしたが、今は民間企業である以上、予算や費用対効果に対してシビアな意識を持たないといけない、と肌で感じているのも変化の一つです。
銀行という世界に早く溶け込みながら、異業種を経験している自分だからこその視点やアイデアによって、自分なりの価値を発揮していきたいです。
生活面の変化はありましたか?
まず福岡市内で暮らせるようになったことで、妻もとても喜んでくれています。それから、社宅で暮らせているのもありがたいですね。社宅でもとても良い人間関係が築けていて、仕事面と同じように生活面でも満足感を得られています。
プライベートの時間は前職の方が少し多かったですが、その分、手持ち無沙汰というか、「こんなことでいいんだろうか」と焦りのような気持ちもありました。
今は資格取得に向けた勉強に時間を使ったり、それが仕事に繋がるということをしっかり見据えられるので、オンでもオフでもより充実感を得られるようになりましたね。そんな私の充実感を感じてか、妻もよく応援してくれて、毎日が良いサイクルで回っているように感じます。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
今回の活動を通して理想的な転職ができたことはもちろん、そのプロセスでしっかり自分自身と向き合えたことは本当に良かったと思っています。
多くの転職エージェントは私の希望など表面的な部分だけ押さえて、あとは「とにかく応募していきましょう」というスタンスだったのですが、担当してくれた原田さんの場合は、常に的確な指摘を入れてくれて、私のことを深く理解しようとしてくれました。
なぜこれまでのような歩みをしてきたのか、そこにはどういう思いがあったのか。そしてこれからは・・・と。そういった会話を通して、実は引け目を感じていたり、なかなかさらけ出しにくいなと感じていた部分をうまく引き出してもらいましたし、「ここは自分の中でちゃんと答えを出さないといけないところなんだな」と強く意識できました。
転職活動といえば、求人ばかりに目が向きがちですが、まず目を向けるべきは自分自身でした。それに気付かせてくれた原田さんとの出会いは私にとって財産ですし、ぜひ皆さんにもそういった出会いがあることを願っています。