転職成功者インタビュー

株式会社西部技研
村野宣孝さん(仮名・機械設計) 29歳

家族のために決断したUターン。一度は諦めかけた自分のキャリアに、一筋の光が差した。

福岡出身の村野宣孝さん(仮名)は、熊本出身の妻とともに関東で暮らしていた。やがて子どもが生まれると、その直後にコロナ禍が始まることになる。頼れる人が周囲にいない中で行動も制限され、次第に心身の調子を崩していく妻を見て、村野さんは地元九州へのUターンを決断。じっくり時間をかけて妻や育児と向き合い、親族の助けも借りながら生活基盤を整えた。

そんな村野さんが次に目指したのは、キャリアのリスタート。一度はキャリアを諦めたと振り返る村野さんだったが、リージョナルキャリア福岡のコンサルタントとの対話を通して、自分が大切にしたい「軸」を再確認。現在は理想の転職を果たし、公私ともに充実の日々を送っている。

「軸の大切さに気付いた、あの瞬間がターニングポイントだった」と振り返る村野さんにお話を伺った。

※本記事の内容は、2022年2月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
0回
活動期間
エントリーから内定まで28日間

転職前

業種
造船
職種
研究・設計開発
業務内容
船舶の推進性能向上についての研究、艤装品や船型の設計開発

転職後

業種
機械
職種
設計開発
業務内容
自社製品(特殊空調機器)の機械設計

会社を辞めることは名残惜しかった。それでも「家族が大事」とUターンを決断。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

西部技研はデシカント除湿機やドライルーム、VOC濃縮装置といった特殊空調機のメーカーで、私はプロダクトマネジメント本部・設計課に所属して製品の機械設計を担当しています。

また、現在は顧客ごとに“一品一様”で要求を請け負っていますが、今後は共通化や標準化、モジュール化によって柔軟なカスタマイズや効率的な大量生産に繋げていく方針のため、その仕組みづくりにも携わっていく予定です。そこに向けてまずは、OJTによって製品理解や業務理解を進めています。

入社前のご経歴を教えてください。

福岡出身で、地元の大学・大学院を卒業後、造船系のエンジニアリング会社に就職し、関東に居を移しました。そこでは新造船の開発・設計や、船舶の推進性能向上についての研究などに携わっていました。学生時代の学びを活かすこともでき、仕事にはやりがいを感じていました。

転職のきっかけは?

就職・転居に伴って熊本出身の妻と結婚し、その後子どもが生まれたのですが、直後にコロナ禍が重なり、動きが制限される中で妻も疲れが溜まって、体調を崩してしまったんです。

親族の手を借りようにも、関東と九州の往来が憚られる状況だったため、地元である九州で妻のケアと育児をしようと、福岡にUターンしました。

私もすぐには転職せずに、しばらくは家族との時間を確保することに。やがて妻は無事に回復してきて、子どもの幼稚園入園の目処も立ったことから、転職活動を開始しました。

転職活動はどのように進めましたか?

まずは大手転職エージェントに登録しました。求人を紹介してもらい、担当者から「とりあえずたくさん応募しましょう」と勧められたので、業種や職種を絞らずに応募していきました。しかし、いずれも良い返事がありませんでした。 行き詰まりを感じていた頃、学生時代の友人から、リージョナルキャリア福岡のコンサルタントである原田さんを紹介してもらいました。実は、友人は一足先に原田さんの支援を受けて転職を成功させていたんです。そこで私も原田さんに面談してもらい、これまでの経緯などをお話しました。

そして、話していくうちに、「やっぱり自分はエンジニアとしてキャリアを築いていきたい」という思いを再確認できました。

というのも、Uターンしてしばらく離職期間もありましたし、自分が望むような仕事や、やりがいを感じられる転職は難しいだろうなと、半ば諦めていたんです。でも、原田さんとの対話を通して、自分の軸をしっかり決めて、それを大切にしていくことが重要であると気付き、それからは闇雲に応募することをやめました。

そして、西部技研を紹介してもらうに至り、自分の軸にマッチしていると感じたため、しっかりと意欲を持って選考に臨んでいきました。

今の会社に決めたポイントは?

まず、これからますます重要性が高まる「環境」にコミットする製品を手掛けていることです。私も子どもが生まれて、次世代にどんな環境を残すかということを意識するようになりましたし、そこに貢献できることに意義を感じました。

それから、私のこれまでの経験をしっかり評価してくれたことです。離職期間に対して不安もありましたが、それがネックになることもありませんでした。自分の意志次第でチャレンジできるフィールドがあるということはとても魅力的でしたね。

他にも、グローバルに規模拡大を志向していたり、ダイバーシティが進んでいたり、標準化を目指していたり。そういった前向きな取り組みの中で、自分のキャリアを伸ばしていけそうだと感じたことも決め手の一つです。

風通しの良さも感じましたし、あらゆる面で「ここだ!」という感覚でした。

自分の勝手な思い込みで、可能性を手放すところだった。

転職していかがですか?

まだ入社して間もないですが、入社前の期待感の通りで、充実した日々を送っています。周囲の方もよく気にかけてくれて、「まず自分で思うようにやってみて」というスタンスで接してくれます。その結果が仮に望まれるようなものでなかったとしても、咎められるようなことはありませんし、チャレンジさせてくれる風土を実感しています。

それから、風通しの良さを強く感じますね。先日も全社で改善についての発表会があったのですが、部署ごとに分かれて発表を行ったあと、「テーマが似ているから、一緒にできそうだよね」と部門を超えてチームを組むという動きが当たり前に生まれていて。そういうフラットな雰囲気はとても心地良いですね。

転職して良かったと思うことは?

良い形でキャリアをリスタートできたことです。「家族のために」とUターンして、一度はキャリアを諦めかけていましたが、こうしてまたチャンスを得ることができました。

中途入社ですので、もちろん早く期待に応える成果を出していきたいという思いは強いですが、それが焦りではなく、良いプレッシャーとして自分のモチベーションになっています。これからのキャリアを見据えて、しっかりとスタートラインに立てたことは、本当に良かったと思っています。

困っていることや課題はありますか?

やはりまだまだ把握できていないことが多いということです。今所属している部署は、営業や購買、サービスなど、いろいろな部署と連携する場面が多く、よく人も訪ねてきます。そこで要望を受けたときに、どう対応したら良いか分からないということも少なくないので、やはり早く製品理解や業務理解を進めないとな、と痛感しています。

それと、前職は比較的“古風”というか、今ほど自由度が高くない風土でしたので、そういった変化にも慣れることが必要だと感じています。自由度が高いということは、それだけ自分に責任が伴うということですから。決して困っているというわけではありませんが、目下の課題の一つです。

生活面の変化はありましたか?

妻のコンディションも回復し、2歳半になる子どもは慣らし保育に行き始めました。離職中は育児にも向き合いましたが、妻はこれを一人でやっていたのか・・・と、大変さが身に沁みることもありました。それを経て、今は仕事と家庭のバランスをうまく保ちながら毎日を過ごすことができています。

妻の両親もたびたび会いにきてくれて、妻も子どもも嬉しそうにしているので、それを見るとやっぱり私も嬉しいです。

それから最近は会社もテレワークを推奨しています。私はまだ教えてもらうことも多いので出社がメインですが、これから少しずつテレワークを始めていくと、家族との関わり方や時間の使い方もまた変わっていくのかなと思っています。

もし仮にコロナ禍が明けたとしても、会社としては“テレワークは普通にやっていく”という方針なので、そういう働き方に関しても特に不安はないですね。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

私の場合、転職活動を振り返って一番のターニングポイントになったのは、「自分が大切にしたい軸がぶれてはいけない」と気付いた瞬間だったと思います。生活のため、お金のためと割り切って働くことはできるかもしれませんし、そういう選択をしかけていましたが、立ち止まってきちんと考えてみると、仕事やキャリアに対する思いが、しっかり軸として自分の中にありました。

今思うと、その軸を大切にして本当に良かったと思っていますし、活動当初は『(望むような転職は)難しいだろう』という勝手な思い込みから、自ら可能性を手放しかけていたのだと思います。そこで原田さんと話して、客観的な気付きをもらえたり、対話を通して自分自身と向き合うことで、進むべき道が定まりました。

人生において多くの時間を使う仕事だからこそ、自分の好きなこと、得意なこと、何でもいいと思うので、しっかり自分が思いを持てるものを軸として意思決定していくことが大切なのかなと思います。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
原田 昌和

前職を辞めることに名残惜しさを感じながらも、「家族のため」と覚悟を決めてUターンされた村野さん。面談の際にも、「家族みんなで一つ屋根の下、同じ布団で寝られればそれで幸せなんです」というお言葉があり、ご家族に対する深い愛情が印象的でした。

一方で、ご自身のキャリアについては、家族との幸せと“引き換え”にしておられる印象も受けました。ブランク期間はあるものの、まだお若く、前職でもしっかり経験・スキルを身につけておられるため、十分に良い形でリスタートを切れることをお伝えし、結果として、西部技研社とのお引き合わせに至りました。

今回のインタビューではオンラインでのお話となりましたが、とても晴れやかな表情で、公私の充実ぶりが伝わってきました。これからますます、良き夫、良き父親、そして良きエンジニアとして、幸せな人生を送っていかれることを願っています。

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