2023.11.02
知る人ぞ知るグローバルカンパニー「株式会社西部技研(福岡県古賀市)」が成長を続ける理由
リージョナルキャリア福岡のコンサルタント、瀬川です。
先日から東京ビックサイトにて「ジャパンモビリティショー」が2019年以来4年ぶりに開催されていますね。
個人的には人がたくさん集まるような場所やイベントは苦手ですが、これはいつか行ってみたいイベントの一つです。
電池を制する者がEVを制する
かつては「東京モーターショー」の名で知られていましたが、自動車業界に限らず、様々なモビリティ産業も一緒になって来場者に「未来の日本」を体感してもらうため、今回からイベントコンセプトや名称が変更となりました。
その結果、参加企業・団体数は192(2019年)から475と大きく増え、盛り上がりを見せているようです。
それから、関連するニュースを見ていると、やはり出展される電気自動車(EV)のコンセプトカーが話題になっていますね。EV化の流れ、いろいろと思うところはありますが、日本メーカーには頑張ってもらいたいところです。
そんなEVですが、「バッテリー(電池)を制する者がEVを制する」と言われるぐらい、バッテリー開発の競争とも言えます。
現在のバッテリーの主流はリチウムイオン電池ですが、そのリチウムイオン電池の製造において、存在感を高めている企業が福岡にあることをご存じでしょうか?
それは、10月3日に東証スタンダード市場に新規上場した株式会社西部技研(福岡県古賀市)です。
「超低湿環境」をつくりあげる除湿機のリーディングカンパニー
西部技研は「デシカント除湿器」「VOC(揮発性有機化合物)濃縮装置」の主力2製品でグローバル展開をしている装置メーカーです。
除湿機や「ドライルーム(除湿器とパネルで区切られた部屋が一体になった設備)」が大手車載電池メーカーで採用されるなど、販路を拡大しています。
(画像出典:西部技研HP)
この「デシカント」は除湿剤や乾燥剤という意味で、デシカント除湿器は空気中の水分をデシカントに吸着させ除湿する除湿器のことを言います。
ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、一般的な空調に用いられる除湿方法は「冷却式」。空気を冷却器によって冷やし、結露させることによって除湿を行います。
しかしこの方法には弱点があり、大気中の水蒸気が結露し始めるときの温度である「露点温度」が低い場合にはその性能を発揮できません。
一方、デシカント除湿器は低温時や空気中に水分が少ない環境においても省エネルギーで効率的に除湿機能を発揮することができます。つまり、「超低湿環境」をつくりあげることができるのです。
そしてここにリチウムイオン電池製造との親和性が生まれます。リチウムは水との反応性が高いため、製造工程において「超低湿環境」が必要となり、その環境を実現できるドライルームが重宝されるわけです。
コア技術「ハニカムローター」を世界で初めて開発・実用化
西部技研が製造したデシカント除湿器を設置したドライルームでは、露点−40℃から−90℃以下の超低露点環境をつくりだすことができますが、それを実現するためのコア技術・コア部品が「ハニカムローター」です。
これはハニカム(蜂の巣)構造体を用いた円盤状のローターで、1980年代に同社が世界で初めて開発・実用化。同社はこのハニカムローターや装置の開発・製造・納入・アフターフォローまでを一気通貫で行うことを強みとしています。
もう一つの主力製品である「VOC濃縮装置」、そして新たに市場に投入予定の「二酸化炭素濃縮装置(農業向け製品)」もこのハニカムローターを応用した製品となります。
(リージョナルキャリア福岡「企業TOPインタビュー」より)
成長産業の中で、企業、そして個人の成長を追求できる環境
車載用を中心にリチウムイオン電池の市場規模が急拡大しているのは多くの方が知るところですが、見方を変えれば、市場の拡大には西部技研のデシカント除湿器・ドライルームが必要であり、同社が電池市場の拡大を支えていると言っても過言ではありません。
キャリア人材の採用にも積極的で、当社からも成長意欲の高い方々が複数名入社し、現在も活躍されています。
成長産業の中で自身も成長したい、そんな価値観をお持ちの方にとってはとてもチャレンジングな環境だと思います。
(参考)社長インタビュー
経営TOPインタビュー【福岡】株式会社西部技研 - リージョナルキャリア
(参考)転職者インタビュー
転職者インタビュー【福岡】株式会社西部技研 | 矢野祐司さん(30歳男性・生産技術) - リージョナルキャリア
転職者インタビュー【福岡】株式会社西部技研 | 村野宣孝さん(29歳男性・機械設計) - リージョナルキャリア